DX導入事例

検査工程におけるAIの導入事例/導入しづらいケース

中小企業におけるAIの導入事例

近年、急速に進歩しているデジタル技術の一つに「AI」があります。
AIとは、「Artificial Intelligence」の略語で「人工知能」と訳されます。

AIの技術は、一般的には次のような形で利用されていることが多いです。

機械制御
産業用ロボット・物流ロボット・自動運転など、データをもとに機械の制御を行う。

画像認識
顔認証・異常検知・画像検索など、表示された画像に映っているものを認識して処理を行う。

音声認識・アシスト
音声入力・議事録生成・電話対応など、音声を認識して、テキストに変換する。

推測・予測
検索エンジン・株価予測など、蓄積した膨大なデータから、最適解を推論・予測する。
など。

中小企業様においては、需給予測や検査工程でAIを導入されているケースが多いようです。

一次検査にAIを導入

今回、紹介させていただくのは、検査工程にAIを導入されている株式会社ヨシズミプレス様(東京都墨田区)の事例です。

主に電池部品や金属文具などを製造している従業員20名ほどの町工場です。

AIを導入する前は、一月あたり50万個の製品を検査員6名が約10日間かかって目視で検査していましたがAI導入後は、

  • 製品を整列機に投入し、ベルトコンベアに流す
  • 製品をAIが判定。不良品は自動でベルトコンベア上から除外
  • AIが良品と判定した製品(約48万個)は、良品としてそのまま出荷
  • AIが不良品と判定した製品(約2万個)には、不良品と良品が含まれるため、担当者が目視検査

という手順となり、検査に要する時間が約40%削減したそうです。

ポイントは、1次検査をAIが行い、2次検査を人が行うという点です。
全てをAIに任せると、導入のハードルが高まります。
AIが明らかに良品のものを判定してくれるだけでも、大幅に負担を軽減できます。

このように導入しやすいところからAIを活用していくと良いでしょう。

AIを導入しづらいケース

AIには得意・不得意があります。
先ほどの事例のように、AIが不良品と判定した中には良品も混じっていることがあるように、
AIはその技術的な特性から100%の精度を出すことは難しいといわれています。
(学習・推論の手法などにもよります。)

そうした技術的な特性を理解した上で、適用範囲・利用シーンを考えることが大切です。

検査工程では画像認識技術を活用することが多いですが、あらかじめ良品・不良品の画像を用意し、
AIに学習させる必要があります。
試作品や小ロット品種の場合は、あらかじめ良品の画像を用意することが難しいなど、AIによる判定は不向きといえるでしょう。
判定させる製品の形状が複雑なもの、大型のものも不向きといわれています。

また、品質検査の際、学習させた画像と光の加減や角度・反射を一定にしておかないと、影の違いなどでAIの判定が変わってくる場合があります。
屋外など場所によっては、AIが導入しづらい作業現場もあります。

AI判定は大量品でリピートがあり、小型で、形状が複雑でないものが向いているといわれています。
AIが導入できそうな製品であっても、学習次第でその精度が変わってきます。
ですので、最初は実証的に取り組むところから始めることをおすすめいたします。

参考になる講座

AIをはじめこれから導入できそうな技術の基本的な特性を理解すると、自社に合うデジタル技術の選択肢が広がります。
学習支援システムでは、AIをはじめとした技術の基礎を知る講座があります。

  • 会社でこれから導入するシステムや技術の基礎を知る

またAI導入の事例を紹介した特別講座のアーカイブもご視聴いただけます。

  • DX会社改革:好事例紹介シリーズ・AI導入の基本と導入しやすいケース・導入しづらいケース(講座実施日:2022/10/24)
  • DX会社改革:好事例紹介シリーズ「AI-OCRを⽤いたデータ⼊⼒の⾃動化~80%程度の⼊⼒作業減」(講座実施日:2022/09/27)

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